勝ち負けにこだわる子①

男の子の相談に「勝ち負けへのこだわりが強い」が度々あります。最後ケンカになるからというのが主な理由ですが「勝ち負けへのこだわり」は無くした方がいいのでしょうか。

例えばオリンピックスポーツの世界では勝者しかメダルがもらえません。サッカーの本田圭佑選手は勝負ごとになると相手が子どもだろうと、テレビゲームだろうと本気で怒るというのは有名な話です。勉強に関しても同じことがいえるので、こだわりがない子の方がいいというのはあまりにも一元的です。したがって上記の相談があっても対応するかはケースバイケースにしています。

介入するケースを例に挙げるならじゃんけんです。じゃんけんでも怒ってトラブルになるなら介入する必要があるかもしれません。

そしてここからが本題です。
例のようにじゃんけんですら勝ち負けにこだわっている場合、本当にその子自身に「勝ち負けへのこだわり」という問題があるのかということです。もしあるとすればトラブルの原因は本人にあるということになります。
私の場合最初からそうは考えません。まず「学習経験が少ないか、或いは誤学習しているのではないか」といった相互関係の問題から考えるようにしています。

話が少しそれますが、そもそも幼児がじゃんけんを学ぶときは一般的に「勝つ」ことから教わります。勝つことが嬉しい、勝つことで何かもらえるという経験がじゃんけんのルールを学ぶ最初の一歩です。行動分析では行動の結果が良いと次の行動につながりやすくなるという基本的な原則があります(三項随伴)。

そしてじゃんけんのルールを理解すれば次は実践です。学び始めは良い結果が多かったじゃんけんですが(親が負けてくれたりしますよね)、社会の中で繰り返す内にじゃんけんは必ず勝てないものだと少しずつ自覚していきます。良い結果と悪い結果をランダムに経験していく中で勝ちへのこだわりが減少していくというのが一般的な勝ち負け学習の流れです(般化)。

したがって、じゃんけんですら怒るようであれば、まだルールを学んだばかりで社会での実践経験が不足しているのかもしれないという視点を行動分析では持つことができます。

まだ文章が長くなりそうなので一旦まとめます。
子どもの勝ち負けの学びは楽しい(勝つ)が最初のステップです。勝ちへのこだわりが強いと感じるなら、子どものこだわりの問題と勝手に決めつけず次のステップである社会での実践経験が少ないかもしれないという視点を持つべきが私の結論です。

具体例に関しては次回にしますが、

せっかくの勝ち負けの学びの過程を「本人の問題」という形で台無しにしない為にも、スモールステップで「勝てたらいいな」「負けるかもしれないな」といった見通しがもてるようになるまで繰り返す必要があると思います。

注意しないといけない点はこれを一方的に保護者に押し付けないことです。 親子の時間が少ないという問題以前に対人とのやり取りの経験不足は社会全体が抱えている課題です。

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