なわ跳びの教え方2

①エラーレスについて補足。
縄跳びの前跳び動作は手の動きから始まってちょうど縄が足元に来るタイミングをジャンプでとび越えてはじめて成功となります。前跳びはここが結構シビアで「成功」と「失敗」がはっきりしています。子どもは「失敗の繰り返し」に対する免疫が弱いので続くとすぐにやめてしまったりします。「成功するには練習しなきゃ」という促しに反応しないのはまだそのような経験が少ないことが原因としてあるかもしれません。

前跳び動作を教える時は、最初の手の動きから教えたくなりますがこれだと「繰り返しの失敗」をどうしても作ってしまいます。私の場合は最後のジャンプから教えます。理由は①エラーレスになるからです。

具体的にはまず「イチ・ニ・サン!」の合図に合わせてジャンプの練習をします。「サン」のタイミングで跳べるようになったらその瞬間なわをくぐらせ「跳べた、上手!」とほめます。慣れてきたら私がとび縄をもって子どもを前に立たせます。「イチ・ニ・サン」のタイミングでジャンプさせて一緒に前跳びを成功させます。そして「前跳びできたねー」と毎回褒めます。実際に前跳びができているわけでは決してありませんが②練習が好きになる工夫に繋げるためにも必要な声掛けです。これが①エラーレスの具体的な方法になります。

この後の流れですがタイミングさえわかれば連続跳びもすぐにできるようになります。また自らの手で回す練習については「とび縄を片手で持って10回まわすこと」といった①エラーレスの工夫を取り入れた繰り返しの練習を促します。手の動きこそ毎日の練習が必要です。
ここまでの流れができれば前跳び達成に向けた繰り返し練習ができるようになっていると思います。
更に成功の見通しが立ってくると子どもは自らなわ跳びをもって練習に励むようになります。これは「自己強化」と呼ばれる段階に入って前跳び成功への道が一気に加速します。「失敗」を「失敗」と捉えなくなって運動そのものが楽しくなっているといえます。

応用行動分析(ABA)では連続動作の最後から教えることをバックワードチェイニングと呼んでいます。
「最後から教えてエラーレスにする」というテクニックは他にも活用できるのでぜひ試してみて下さい。

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Hanaichi